マタイ12:14~21 ヨエル2:23~3:2
今日のお話は、私の選んだしもべ のお話です。神様が選んだしもべは、イエス様のことです。今日はちがう僕のお話をしましょう。それは今朝ドラでも注目されているやなせたかしさんが書いた、アンパンマンです。アンパンマンは、弱いヒーロー、だめなヒーローなのです。アンパンマンは、お腹の空いた人のところに、食べ物を持って行きます。何もない時には、自分の顔をちぎって食べさせます。時には顔がちぎられて半分になったりします。これを見た大人たちは、こんなヒーローはだめだ。こどもたちにこんなものは見せられないと思いました。でもこどもたちにはとっても人気でした。アンパンマンは、お腹の空いた人たちに食べ物を届けるという大切な働きをしていました。ところが、その最中に、高射砲で打たれてしまいます。敵だと、悪いものだと思われたのです。アンパンマンを高射砲で打ったのは、国を愛する若者であったそうです。アンパンマン誕生には、やなせさんの戦争での体験が関係しています。自分たちは正義の戦争のために戦っているのだと教えられて来たけどれど、自分たちの正義は間違った正義であったと後で知らされることになります。自分たちだけが正義だなどというのは間違いだと分かり、強い正義のヒーローではなく、弱く、かっこ悪いだめなヒーローアンパンが生れたのだそうです。今日の聖書の中にも、正義、という言葉が登場します。18節、彼は異邦人に正義を知らせる。19節、正義を勝利に導くまで、とあります。ところが聖書協会協同訳では、彼は異邦人に公正を告げる。公正を勝利に導くまで、と書かれています。公正というのはもちろん人間の裁きでも正義でもありません。神様の裁き、公正です。それは決して傷ついたものをもっと傷つけようとすることではありません。消えかかっている炎を消してしまい、もう二度と火は燃えないようにすることでもありません。神様が選んだ弱いヒーローは、争わず、叫ばず、誰もその声を聞いていません。しかしこの神様の選んだダメなヒーローによって希望が与えられます。神様が新しく与えてくださった霊を受け私たちは弱いヒーローと共に生きて行きます。