マタイ2:13~23 エレミヤ31:15-17
東方からやって来た博士たちが帰国した時、父ヨセフは夢を見ました。神様は、危険が迫っているため、そこからエジプトに逃げよ、と命じられました。ヘロデは、新しいユダヤ王の誕生を喜ぶはずもなく、ベツレヘム一帯の2歳以下の男児が惨殺された、と聖書は語っています。ただしこのことを示す証拠は見つかっていませんので、作り話だとする人もあるようですが、ヘロデは自分の死を誰も悲しまないだろうと考え、自分が死んだらユダヤ中の指導者を集めて皆殺しにしろと遺言を残していたと記されています。実際には実行されませんでしたが、ヘロデという王様はそういう人物だったのです。ですから、イエス様たちは、権力を振るう愚かな人間たちから逃げ出さなければならなかったのです。この時に大きな使命を持っていたのは、父ヨセフです。神の子キリストは何故、全く無力な赤ちゃんとして人間世界に誕生しなければならなかたのでしょうか。神様の救いの業は、そのほとんどは神様の御手にあります。だから人間たちは何もせずに、黙って見ていればよいなどと神様はおしゃっていません。神様は、人間たちが神様の御業に参加することを求めます。さらにヨセフは夢を見ました。神様はガリラヤへ行くようにと勧めます。イエス様の人生は33年だったと言われています。3年間だけは人々の前に現れて、神の子キリストとして人々を教え、いやされました。しかし残り30年間は、誰にも知られないまま過ごしておられるのです。無名なままの30年間は意味のない年月であったでしょうか。ルカ福音書によるなら、イエス様は30年間、特に父ヨセフ亡き後は、家族のために生きた、とされています。家族を愛して、家族のために生きて来た神の子、キリスト。その時間は、無意味ではなく、私たちが本当につながるべき方は誰か、そのつながるべき方、神様と人間一人一人がつながり、小さな家族から世界全体が神様につながって行く、そんな世界を造り上げて行こうとされたのではないでしょうか。私たちも家族を愛し、神様を愛し、神様の御業に加わって行きましょう。神様と世界が、すべての人がつながる世界へと進んで行きましょう。